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本屋サークル 春の栞

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 学生が学生に本を紹介する場を設けたい・・・
そんな目的から「本屋サークル」は設立されました。その活動の一環として〈棚づくり〉というものがあります。
 本屋サークルでは書籍部にコーナーを設けてもらい、約2ヶ月毎にテーマを決めて本を紹介しています。毎回「action」や「始」などのテーマに沿った、会員一押しの本ばかりです。ふと書籍部に立ち寄った人に手にとってもらえるように心がけています。
 京田辺ブック&トラベル、良心館ブック&ショップへお越しの際はぜひ足を止めてご覧下さい。

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2017 春の栞

テーマ: 大学生におすすめの本

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今回のテーマは'大学生におすすめの本'ということで、村上春樹さんの『ノルウェイの森』を紹介したいと思います。

あらすじ

 主人公のワタナベは、ハンブルク空港に降り立つ飛行機の中でビートルズの「ノルウェイの森」を聞くことで、自身が20歳になろうとする年の出来事を回想する。

 1968年、ワタナベは自殺した友人であるキズキの恋人であった直子、大学で親しくなったみどりと過ごしていく時間の中で、「生と死」について考え成長していく。

 村上春樹さんの作品の中で特に有名な小説です。本編の長さは600ページほどでそれほど長くなく、かつ多くの読者に「難解である」と評される村上作品の中でも理解しやすいものとなっています。村上作品を読んだことがないという方にはお勧めの作品です。

 4月の栞のテーマが「大学生におすすめの本」であると聞いた際に、真っ先に『ノルウェイの森』を紹介しようと考えました。「人の死から、残された者は何を学びとるのか」 この問いについて、社会に出る前の4年間で改めて考察するのに最適な作品と言えるからです。是非読んでみてください。

(南学部2回生 推定)

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「図南の翼」 小野不由美

少女とおっさんと、時々イケメンが出てくる物語です。まっすぐで強気な少女と振り回されるおっさんのやり取りがとても微笑ましく、国が深刻な状況に陥っているという背景を持つ中で良い清涼剤として働いています。

 大人たちが頼りにならないなら、国を統べるのはあたししかいない!と本当に命を懸けて試練に挑む12歳を見たことがありますか? 周囲の大人たちに「子供だから軽々しくそんなことを言えるんだ」と作中を通して耳にタコができるほど言われる彼女ですが、涙ながらにその決意と覚悟を吐露するシーンは心に強く残っています。

子供ながらの純真さ、悪く言えば世間知らず故に、おっさんやイケメン含む大人たちの考えと衝突しながら成長していく爽快で壮大な冒険譚を、ぜひ彼女と同じ視点に立って一緒に楽しんでください。


(文学部2回生 横井)

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4月は始まりの季節ですね。
そこで、大学生におすすめの本と題して、新書から選ぶことに決めました。
大学生になるまでは物語ばかりを読んでいたこともあり、新書は難しい本なのだと思いこんでいました。けれど、入学してから何度か新書を読む機会に恵まれ、新書も面白いということに気がつけたのでした。
それでは、最近読んだ新書の中で、読みやすくて興味深かったものを2冊紹介したいと思います。

「読書力」 斎藤孝  

読書という文字を見ると、ついつい読んでみたくなってしまう性分。そうして偶然に手に取ったのがこの本でした。読書力といえば、読んでみることが大切で、読みたくないなら無理しなくてもと、思っていたのです。しかし、この本では読むことで思考力が発達すると考えられていて、少し難しい緊張を伴う読書をしてこそ力がつくと説かれていました。緊張する読書ばかりでは辛いかもしれませんが、確かに緊張する読書は読む力がつきそうと思ったのも事実です。この春、新しいことに挑戦するうちの1つとして、今まで読まなかった本に手をのばしてみるのも面白いのではないでしょうか?

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『「悩み」の正体』香山リカ  

 回生が上がるごとに、卒論が...就職が...と悩んでいた時に出会った1冊です。
中でも印象に残ったのが、「まっとうな悩み」という言葉です。自分で改善できない悩みは、どうしようもない。
自分で改善できる悩みなら、悩んだその先に答えが見つかるかもしれないけれど、そうでないなら悩んでも仕方がない。
自分ではどうしようもない悩みはまっとうではない。そんな悩みは悩みの根本に問題があるのだ、という考えには目からうろこでした。
悩むことで見つかるものもあるはずで、悩んでいいことは存分に悩んだらいいと思いました。ただ、一方で悩まなくていいことに悩んでいる人もいるのです。悩みというのは不思議な存在だと感じたのでした。

(文学部3回生 関詩紘)

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シュガータイム 小川洋子

新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。進級するみなさんもついでにおめでとうございます。どちらのみなさんも、また一歩卒業に近づきましたね。そう遠くない未来に、わたしたちの青春が終わりますね。 まばゆい新入生のみなさんにこの本を紹介するのはとても心苦しいことなのですが。目を背けないで欲しいのです。
例えばみなさんはこれから、高校時代とは比べ物にならないほどに広い時間を持て余すと思います。すぐに慣れます。受験勉強から解放されて、春休みは大切な人たちとたくさん遊んだことでしょう。もしかしたら、京都行ののぞみの中で3月9日を聞いてしづかに涙を流したかもしれません。初めての一人暮らしが手に余り、メロンパンを燃やしたかもしれません(経験談です)
小川洋子さんはもう説明する必要もないくらい有名な作家で、「博士の愛した数式」は読んだ人が多いのではないかと思います。この『シュガータイム』はそれより10年くらい前の、彼女の初期の作品です。だから、まだ粗削りで不完全な感じもするのですが、わたしにはこの作品が愛おしくてたまらなくなる時があります。
「大学生」という言葉は、自分と同い年ですでに社会に出ている人もいるということを忘れさせます。モラトリアムとかいう言葉は短すぎて、しかも意味わかんないです。でも、誰しもいつかは、こんな時間いつまでも続くわけじゃないってことに気付きます。あと5年もすれば、就職して、結婚して、仕事に忙殺され、家事に大わらわ。空きコマに友達と甘い紅茶を飲んだり、一晩中まんがを読みふけったり、打算のない恋に身を焦がしたりする、この時間はもうすぐ終わります。この小説の主人公は大学四年生なのですが、その人生最後の青春をとても大事に生きています。決してはらはらどきどきすることのない日常を、それでもこんなに大胆に切なく描けるのは小川さんの筆力が類まれないものだからでしょう。

「わたしたちのシュガータイムにも、終わりがあるっていうことね」  最後のページのこの言葉は、きっと、今の小川洋子さんなら書かないのではないかな、と思うと余計にこの作品が愛おしくてたまらなくなるのです。 だって青春が終わるんですよ、次に訪れるこんなにも広くて自由な時間は定年退職後なんですよ、わたしなんか今日は16時に起きたんですよ、それでも二度寝したんですよ。そういうことができなくなるくらいなら、ずっと大学生でいいのに。一生、春学期と秋学期が続けばいい。そう思うと無性に泣きたくなって、もう一度この本を読み返そうと思いました。 新入生のみなさん、ちゃんと卒業しましょうね。                      
 (文学部2回 はる)

 本屋サークルでは年4回機関紙〈栞〉を発行しています。この機関紙では会員がテーマにそって自分のオススメの本を簡単な文章で紹介しています。無料配布しているので興味をもった方はぜひお持ち帰りください。きっと出会ったことのない本が待っているはずです。

 本屋サークルの活動の一つとして、同志社生協の機関紙「東と西と」にも、毎回オススメの本を紹介しています。
 本好きが集まる本屋サークルは学部を問わずいろんな人が集まっています。伊坂幸太郎、森見登美彦、太宰治など流行の作家から古典的な作家まで会員の好きな作家は多岐に渡ります。主な活動は昼休みに行い、飲み会や合宿などイベントも盛りだくさんです。会員同士で本の貸し借りもしたりします。

 本好きな仲間がほしい、いろんな本が読みたい、どんな理由でも本屋サークルは入会できます。気になったらぜひご連絡ください。

連絡先:
【京田辺】
小牧 杏朱(文化情報学部 3年次生)
bio0110@mail4.doshisha.ac.jp

【今出川】
森 亮子(文学部 2年次生)
blp5055@mail2.doshisha.ac.jp