教員採用試験は、例年6月下旬から9月にかけて自治体ごとに実施されます。
多くの場合、1次試験と2次試験の2段階に分けて試験が実施され、1次試験は6~7月、2次試験は8~9月となっています。
2024年度の試験では、文部科学省が1次試験に関して6月16日を「標準日」として、できるだけ前倒しする対策を示しました。そのため、例年よりも早い実施日程を採用する自治体が増えると予想されます。
教員採用選考試験では、多くの試験科目の学習が必要なため効率的よく学習を進めることが重要です。
筆記試験の教職教養では、教育原理、教育法規、教育心理、教育史、教育時事(ローカル問題が加わることも)が出題され、一般教養では、人文科学分野、社会科学分野、自然科学分野が出題されます。加えて専門教養としての各教科・科目に関わる学科や実技の試験があり、さらに人物試験として、面接試験と論作文が課されています。
まずは、「挑む相手(受験先)」を知ることから始めましょう。教員採用試験制度そのものについて、また、志願する自治体の試験制度や試験内容などについてのしっかりとした知識を持つことは合格への第一歩ということができます。
教職に関する専門知識が問われる最重要科目です。
教育手法や教育関連の法律、学習指導要領等から出題されますが、教職課程で履修した内容よりもさらに深く広範囲に問われるので、別途試験対策が必要です。また教職教養は、論文試験や面接試験のベースの知識となりますので、単純暗記でなく、それぞれのテーマがどのように人物試験へと発展していくかを意識しながら理解中心型の学習を進めていくことが大切です。
国語・算数・理科・社会・生活・体育・家庭・音楽・英語・図工等、出題数は自治体によりますが、教科数が多く、広範囲の対策が必要です。小学校全科と一般教養の出題範囲が重なりますので、一般教養の出題がある自治体を受験する場合は、兼用で学習すると効率がいいでしょう。得意科目で満点を目指す勉強法よりも、苦手科目を無くし、安定して全科目がボーダーラインを超えられるようにすることが大切です。
学習指導要領は、文章量が膨大ですので、全体像を押さえ、丸暗記は難しくとも重要語句や書かれている内容が思い出せるくらいまでには覚える必要があります。
表面的な対策では太刀打ちできません!
事前の対策と準備が大切です。
各自治体は様々な形で人物試験の比重を高めています。これは近年の社会背景や新たな課題に対応できる優れた教員を確保するために、受験者の教師適性を多面的かつ深く見極めたいという思惑が背景にあります。
実際、教員採用試験では、人物試験が、論文試験や個人面接、集団面接、集団討論、集団活動、模擬授業、場面指導と様々な形式で複数回実施され、当然配点は高く設定されています。また1次試験から人物試験を実施する自治体も多く、全体の7割となっています。
(1)論文試験
試験の種類 | 論文 |
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出題テーマ | 教育論 児童・生徒指導論 教師論 抽象論 |
内容 | 主に教育に関するテーマを課題とした論述式の試験です。文章力・国語力はもちろん、教職教養で学ぶ教員としての専門知識も必要です。最近は、自県・自市の教育政策を出題テーマにする自治体が増えています。試験対策としては、インプットだけでなく、答案を書く練習を重ねしっかりとした添削指導を受けることが重要です。 |
(2)面接試験
試験の種類 | 面接 |
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出題テーマ | 個人面接 集団面接(集団討論) 模擬授業 場面指導 |
内容 | 教員としての資質や能力を見極めるための試験です。近年は非常に重視されています。主に5つの形式が存在し、全ての自治体が2つ以上を組み合わせて実施しています。教育に関する課題が絡むため、「教職教養」の知識は必須です。志望先の試験内容を調べ、十分に練習を積んで本番に臨まなくてはなりません。 |
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